真似したくないき。「文旦マン」現る。

土佐市 白木果樹園 白木浩一さん

土佐市 白木果樹園 白木浩一さん


知る人ぞ知る、高知は「柑橘」パラダイス。

他県から高知を訪れると驚かされるのが柑橘類発見頻度である。高知といえば「柚子」だと思う人は少なくないかと思うが、柚子はそのまま食べられないこともあり、ドレッシングやジャム、ジュースなど加工品でその名を見かけても、あまり八百屋さんでは見かけない。むしろ、「小夏」や「ぶしゅかん」、「でこぽん」「ぽんかん」そして今回の「土佐文旦」といった、そのまま口に運べる柑橘類が、鮮やかなカラーで私たちの視覚を刺激し、食欲をそそってくるのである。しかもその売り方がダイナミックで、土佐文旦は大きなポリ袋に10キロ2,000円 (販売時期により価格異なります)と売られているのだ。直径15センチもあろうかという大きな文旦がポリ袋一杯(20個程度か)に詰められているのを見ると「これは誰が買うんだろう……(少なくとも観光客向けでは決してない)」と頭をひねってしまう。後から聞くと、高知の人は毎日文旦1個たいらげているらしい。ちょうど1ヶ月分/人がどどんと売られていたのだった。なお、統計上でも「その他かんきつ類(みかん以外)」の消費量は、全国一位。名実ともに、まさに高知は「柑橘パラダイス」なのである。

土佐文旦の栽培は、土佐市宮の内地区で始まった。土佐文旦という言葉をあまり東京では聞かないため、まずは土佐文旦とは何かお聞きすることになると新発見の連続だ。インドネシアあたりが発祥の文旦の元祖は、ヨーロッパに流れてグレープフルーツやスウィーティに、中国大陸に流れて日本に入り、文旦やザボン、晩白柚 などにつながっている。確かに見た目はグレープフルーツに近いがまさか「家族」とは。白木果樹園には試験栽培も含めて30種類以上の文旦を栽培しており、文旦類の奥深さを知ることとなった。

ブンタンマンは、ゆるキャラの一歩先。

取材に訪れる前から、白木果樹園のウェブサイトを調べてこのブンタンマンなるかぶりものが気になっていた。どうしてこのような取り組みをされるようになったのか、お伺いした。「なんかかぶりたかった」以上。それだけだ。しかし、ここからがウマイ。当初はゆるキャラみたいな着ぐるみを作ろうと思っていた白木さん。しかし非常にお金がかかるし、自分しか楽しくない。「自分が誰かもわからないでしょ。こんな簡単なかぶり物にすると、自分が誰か顔をお客さんにお見せできるし、何より一緒にかぶったら、みんな楽しいじゃない。」

ということで、このブンタンマンのかぶり物は全部で10個用意されている。かぶってみると、ハッピーになれるのだから不思議である。ブンタンマンの大将である白木さんのかぶりものだけ「BUNTAN」のローマ字が入っている。僕たち俄かファンにはかぶれないというから、なんだか白木さんへのリスペクトが1歩また深まる仕組みもまた上手い。「人の真似はしたくないきね。オンリーワンでやらなきゃ」。土佐文旦発祥の地で伝統を受け継ぎながら、品種改良だけでなく、土佐文旦を広めることにもアイディア出しには余念がない。

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柑橘三昧ツアーに、加工商品も。

美味しい野菜や果物を作る農家さんと話をすればするほど、頭が冴えていて、クリエーティブでなければならないんだと、取材の度に感じさせられる。白木さんもそうだった。柑橘試食ツアーを実施し、土佐文旦の魅力をさらに広げるほか、土佐文旦からつくったアロマオイルを製造・販売したりしている。文旦に含まれるヌートカトンと言う成分が、グレープフルーツダイエット同様、美容効果にあると言う点にも注目して、美容効果にも訴えていこうと活動を続けてもいらっしゃる。とはいえ「あまりブームにはしたくない。ブームにせず、ずっと求められるものをつくろうとすること」と、その目は既に農家の域をこえ、マーケティングプランナーとして、文旦の未来を描いていらっしゃった。

土佐文旦の畑は、思ったよりも急こう配にあった。この坂道を行ったりきたりしながら、文旦の香りに刺激を受け、白木さんの脳内からアイディアが尽きることは無いのだろう。

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まるごとネット文旦情報
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