タベアルキスト・マッキー牧元の高知満腹日記「高知の太陽を浴びて輝く、二つの高貴な果物」

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすタベアルキストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

赤い果皮を剥くと、真珠の輝きが、顔を出した。

ライチーである。

普段我々が見るライチーは、黒茶の皮に包まれている。

しかしあれは、摘まれ、日数が経ち、老化した姿である。

安芸市の「メリーガーデン」は、優れたマンゴーを作り出すことで知られるが、このライチー作りにも挑戦している。

国内でライチーを作っている場所は、少ない。栽培が難しいのである。

楊貴妃が好んだことで知られるが、希少性や高貴な味わいもさることながら、この白く透明な輝きを自分のものとしたかったからではないだろうか。

それほどに、いつまでも眺めていたいほど、澄み切った美しさがある。

さあ食べてみよう。
そっと唇を当て、噛んだ瞬間に慌てた。

果汁が、果汁が滝のように流れ出るのである。
じゅっ。ぽたぽたぽたぽた。

ほの甘い果汁が口から溢れ、唇をつたい顎へ流れ、下へと落ちていく。

その果汁の豊かさに慌てるのだが、さらに驚くのは食感である。

なにか、噛んではいけないような感覚が漂う。

そう、赤ちゃんのほっぺである。
いや少女の唇である。
柔らかさの中にいたいけな弾力があって、そっと歯を押し戻す。
そこはかとなく、危うい。
味わいは、まず柔らかな酸味が広がって、甘みが追いかける。
味の道筋はブドウに似ているが、味わいの芯にはかなさがあって、淡い色気に恋をする。

果皮が黒くなった冷凍のライチとは、ほど遠い。

生のライチも食べたことはあるが、都会で空輸されて食べるそれとは、はかなさが違う。

はかなさとは、つまり気品であり、高知の太陽と空気に恵まれ、愛情をかけ、育てられて生まれた資質なのだと思った。

さあ次はマンゴーをいただいてみよう。

マンゴーに秘めた気品とは。

7年前から栽培を始めたマンゴーは、かの有名な宮崎産太陽の卵を凌ぐ品質だという。

「糖分の組成が違うんです」と、生産者の岡宗俊介さんは、我が子を褒めるような優しい目をされた。

甘い香りに誘われて食べれば、甘さがぐっと広がるが、後味がきれいである。

これ見よがしの甘さではなく、口の中に甘い香りの余韻だけを残して、さらっと消えていく。

これもまた気品である。

気品は後を呼ぶ。

こうやってあのマンゴーを思い出すだけで、よだれが出始め、無性に食べたくなってくる。

マンゴーの最盛期は6月から8月、また行かねば。

■施設情報

岡宗農園 メリーガーデン

住所:高知県安芸市川北甲6951

電話:0887-32-0650

営業時間:9:00~17:00

メリーガーデンカフェ

営業時間:9:00~17:00(LO 16:00)

※モーニング9:00~11:00 ランチ11:30~14:00

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