新茶の季節到来!日本茶インストラクターに美味しい土佐茶の淹れ方を聞いてみた

土佐茶の新茶をより美味しく楽しむためのコツを、日本茶インストラクターが伝授。ほんのひと手間でいつものお茶が格別な味わいに。

高知県と聞くと新鮮な魚を思い浮かべる人が多いと思うが、実は「茶どころ」と言われるほど、昔から盛んにお茶が栽培されているのだ。
毎年4月下旬から5月初旬頃には一番茶の摘取が始まり、新茶の季節となる。

今回は、県内外で活躍している日本茶インストラクターの柿谷奈穂子さんに美味しい土佐茶の淹れ方を教えていただいた。

柿谷さんは東京生まれ、東京育ち。
20代半ばに京都へ移住した後、日本茶の魅力にひかれて「日本茶インストラクター」の資格を取得し、日本茶の専門店に転職。結婚を機に移住した高知でもJA津野山でお茶の販売や普及活動を行い、現在はフリーランスとなってお茶の魅力を伝えている。

ご家族がお茶関係の仕事をしていたこと、そしてご自身の仕事ということもあり、柿谷さんとってお茶はルーツのようなもの。

JAで勤めていた時に高知県津野町の茶畑を訪れる中で、後継者不足や取引価格の落ち込みといった多くの課題を目の当たりにしたという。

「今すぐ何とかしなければ…」と危機感を持ったことがきっかけになり、お茶の価格を安定させるため、かぶせ茶を粉末状にした「かぶせ茶パウダー」を開発。
このパウダーを使用し、産地の名前を付けた「津野山ビール」というオリジナルビアカクテルも誕生させた。

現在はお茶の淹れ方講座や土佐茶プロジェクト、津野山ビールの販路開拓といったお茶の消費を拡大させる取り組みやお茶をテーマにしたイベント「ツノチャ・マルシェ」の開催、土佐茶女子会や茶畑のガイドなど、その活動は多岐にわたる。

 

土佐茶について

高知県では、清流として知られる仁淀川や四万十川の中・上流域を中心とした山間地に多くの茶畑があり、全国シェアは0.3%と少ないものの、良質な産地として知られている。

金色透明で香り高く、味が濃いことが土佐茶の特徴だ。

 

お茶の淹れ方

一口に土佐茶と言っても産地によって味や特徴、種類が異なる。
今回は、津野山郷と呼ばれる標高600メートルの四万十川上流域の「津野山茶」を使用した。

柿谷さんによると、この地域のお茶は美味しいお茶を作る条件が揃っているという。
山に囲まれた山間地であり、昼夜の寒暖差が大きく霧が発生しやすいことと水はけが良いこと。
これらの条件が旨み成分の多い、まろやかなお茶を生み出すのだそうだ。

津野山茶を使用した基本的な煎茶の淹れ方は…

1. 茶葉は1人2~3グラム(小さじで1杯程度)、1人で淹れる場合は5グラム(大さじすりきり1杯程度)を使用する。

2. 人数分の湯飲みに、あらかじめ8分目までの湯を入れて必要な湯の量を測る。
3. 2.の湯を沸かしてカルキを抜き、再び湯飲みに注いでから急須に移す。

4. 再び湯飲みに湯を移した後、急須に茶葉を入れ、湯飲みの湯をすべて急須に注ぐ。

※湯の温度は、上級煎茶の適温が65~75℃、新茶の適温が70~80℃。新しい器に移すごとに5~10℃下がるのを目安にする。

このとき急須の穴の向きにもこだわってほしい。
注ぎ口側におくことで、湯飲みに注ぐときに急須の中でほどよくお湯が回転して茶葉が広がりやすくなり、お茶の出もよくなるのだ。

5. 1分間程度待った後、各湯飲みに均等な濃さになるように、まわし注ぎをする。

家庭で淹れる場合、水道水を使用する際には沸騰後すぐに火を消すのではなく3分ほど長めに火にかけることがポイント。
カルキが抜け、ほどよく空気が含まれている熱湯になるそうだ。

またこれからのシーズンにおすすめなのが、水出しのお茶。

水1リットルに対して10グラムの茶葉(水量の100分の1)を容器に入れるだけで簡単に出来る。
気を付けたいのは茶葉を取り出すタイミングだ。通常、3時間ほどで味が出るため、6時間を超えると苦味やえぐみが出てしまう(特に煎茶)。
そのため、茶葉を入れっぱなしにすると美味しさを損なってしまうのだ。

他にも、湯冷ましや氷出しなど淹れ方のバリエーションが豊富な土佐茶。

最後に「新茶には、この時期だけの青々しい香りや、みずみずしい余韻があります。特に香りは夏を越すと変化しますので、今だけの旬の味わいとして楽しんでください。香りを楽しむためには、少し高めの温度がおすすめですよ。」と柿谷さんからアドバイスをいただいた。

産地の異なるお茶の飲み比べや季節ごとの味わい方で楽しめる魅力と奥深さをぜひ体感してほしい。

文/上野 伊代

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