高知家の◯◯
  • facebook
  • twitter
  • instagram

室戸の海沿いレストランでいただくスパイシーカレー&本格紅茶「シットロト」美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

この情報は2021年5月2日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす美食おじさんマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は、高知県室戸市にある紅茶とスパイシーカレー「シットロト」にお邪魔した。

line

米、米、米、米。

高知県の東部、安田町で自然薯丼といなり寿司、北川村で田舎寿司、東洋町でこけら寿司、室戸岬で釜飯と、炭水化物を食べまくった一行は、一路西へと車を走らせる。

次の目標はカレー。

室戸の海沿いに建つ「シットロト」へと向かう。

変わった店名だが、これは室戸地方の伝統芸能で、魚の供養と豊漁を祈願して夏に行う舞踊だという。

カレーは五種類用意されている。

「阿波尾鶏の辛口カリー」、「豚バラとトマトのカリー」、「室戸ジオカリー(地元野菜)」、「スリランカ式カリー」、「タイ風シットロトカリー」である。

ううむ、もう腹一杯なはずなのに、メニュー名と説明書きを見ていたら、カレーが猛然と食べたくなってきた。

いわく「豚バラ肉を紅茶で煮込むことですっきりします。脂っぽくはありません」などと書かれているではないか

そそられちまう。

結局三種類も頼んでしまった。

カレーは、やはり別腹である。

まず豚バラが運ばれた。

ターメリックライスの横には、焦げ茶色のカリーの海が広がり、中央に豚バラの塊が鎮座している。

迫力がある。

食べれば、なんともうま味が太い。

一見なにげない、あっさりとしているようで、太い芯のようなコクがある。

聞けば、玉葱とイタリア産オーガニックトマトを5~7時間炒めて固まりになるまで加熱したら、ニンニクと生姜を入れ、それぞれのカリーに合わせたスパイスを入れて、煮込んだのだという。

奥底に大量の玉ねぎがもたらす、濃密な甘みがあり、トマトの旨みが相乗している。

そこに香り高いスパイスが漂うのだから、たまらない。

スプーンを持つ手が止まらなくなる。

続いて「スリランカ式カリー」が登場した。

こちらは鰹節の旨みが、絶妙に効いて、食欲を後押しする。

実はスリランカには、モルディブフィッシュと呼ばれる鰹節があり、料理に使われている。

鰹節文化は日本とスリランカだけなのである。

遠く離れたスリランカと、鰹節の名産地である高知が室戸でつながっている。

食文化の遠大に胸が熱くなった。

タイ風はどうだろう?

これはまた高知ならではのゆずが使われている点が面白い。

柑橘類でもゆずを使うと味が深くなるという。

その通りで、ココナッツの味わいが少し優美になった感じがある。

店主の山下裕さんは、カリー好きが高じてこの店を2001年に始めたという。

高知出身で、他の県で働いていたが、長男のため、いずれは帰らなくてはいけない。

なら、好きなカレー屋をやろうと始めたのだという。

カレー好きだと言っても、半端ない。

毎日トマトと玉ねぎを長時間炒めるのは、重労働だろう。

「ちょうど今作っていたんです」。

と、こげ茶より漆黒に近い塊を見せていただいた。

おそらく早朝から炒め続けていのに違いない。

しかし、カレールーを見せる山下さんの顔には、苦心の影は微塵もなく、作ることが嬉しいという喜びに満ちていた。

店内は人の家に招かれた暖かさがある。

それもカレー愛に満ちた山下さんの気持ちが溢れているからだろう。

実はこの店の名物はカレーだけではない。

紅茶が素晴らしい。

スリランカ紅茶はここから始まったという、ヌワラエリアの「キャンディ」というお茶をいただいた。

紅茶の産地としては、標高が最高地で作られているという。

ダージリンのようで、あっさりしている。

それがカレーを淀みなく流して、喉や胃袋をすっきりとさせ、また食欲をくすぐってくるのであった。

 

高知県室戸市元甲「シットロト」にて

 

この記事も読む

炭水化物取材ツアーのスタートを飾る自然薯丼とチャーハンといなり寿司

ネタに魚は使わない!ダブルかずちゃんが作る色鮮やか美味王道の田舎寿司

高知県最東端の町で目にも鮮やかアートな寿司をいただく

室戸の豊かな海の幸と里山の健やかな米が出会った旨味溢れる釜飯