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「ノンナ=おばあちゃん」という店名にふさわしい 毎日食べても飽きることのないイタリアン「トラットリア ノンナ」 美食おじさんマッキー牧元の高知満腹日記

この情報は2022年1月9日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹にとんかつ、フレンチにエスニック、そしてスイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす「美食おじさん」ことフードジャーナリストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する高知家の〇〇の人気連載記事「高知満腹日記」。今回は高知市本町のイタリアン「トラットリア ノンナ」を訪ねてきました。

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テーブルに陽光が差し込んで、気持ちいい。

ここは、高知市の県庁前から続く並木通りを見渡す2階にあるイタリアン「トラットリア ノンナ」である。

ゆったりとランチを楽しむ人で満席である。

さあ何を食べようか。

メニューを開くと、高知の食材が、「食べて」と囁きかけてくる。

8種類ほどあるパスタ、リゾットメニューから2種類選んだ。

まずサラダが運ばれてくる。

窓際に置くと、新鮮なサラダが生き生きと輝く。

食べれば実にみずみずしく、野菜の力強さが伝わってくる。

どの店でもパスタについてくるサラダだが、高知の豊かな太陽と地力が生んだ野菜の息吹がある。

そして「秋のさつまいもとベーコンのリゾット」が運ばれてきた。

ああ、米がうまい。

高知産コシヒカリを使っているという。

下元俊宏シェフに聞けば、おじさんが高知のブランド米「仁井田米」の名付け親だということである。

それだけに、シェフは小さい頃からおいしい米を食べてきたのだろう。

米に対する愛を感じる。

リゾットにするには、日本の米は柔らかい。

そのため、しっかりした硬質めのコシヒカリを使っているのだという。

ゴロリと入ったさつまいもをホクホクと頬張りながらご飯を食べてもよし、さつまいもを崩して米と混ぜ、ベーコンと食べてもよし。

さつまいもの甘味とベーコンの脂のコク、そして米の甘みの三者がハーモニーを奏でて、心が優しくなる。

だがただ優しいだけでなく、ヒリリとアクセントで、黒胡椒を効かせているのが憎い。

「秋になると必ず作ります。これを必ず食べにいらっしゃるお客さんも多いです。女性が9割でしょうか。米は、本格的にイタリアのカルナローリ米でも作ってみたのですが、日本の米の方がしっくりいきました。これ以外に、ゴルゴンゾーラもイカ墨のリゾットも人気です」。

言葉の端々に、米への愛が滲む、シェフの話であった。

次に登場したのは、「秋の土佐地魚と高知産水菜の自家製生パスタ」である。

本日の魚は、活き締めのイサキで、その他、日によって、天然真鯛 、いぎす(ホウセキハタ)、クエ 、ウメイロなど、必ず、地元の魚を使うのだという。

魚からとった出汁がうまい。

それがタリアテッレにからみ、喉がごくんと鳴る。

イサキと水菜をスープに浸してスープのように飲み、すぐさまパスタを食べてもいい

イサキの旨味の中で、麺がモチモチと弾んで、実に痛快である。

食後のドルチェには、秋になると必ず作るという「さつまいもタルト」をいただいた。

さつまいもの飴炊きみたいな味わいで、芋の甘みが濃い。

この幸せなデザートをいただきながら、シェフに話を聞いた。

「独立して32年になります。現在の場所になってからは4年です。人気料理ですか?肉なら、黒毛和牛頬肉赤ワイン煮込みや、トマトや野菜と煮込んだバチナーラ風テールの煮込みですね。魚ならアクアパッツァや5種類以上の沢山の魚介を煮込んだカッチュッコ(魚介類スープ)ですね。この二つは必ず頼む人がいます」と、嬉しそうに話された。

ノンナという店名は、おばあちゃんという意味ですよね?

「はい。窪川(現・四万十町)で始めた時は、おばあちゃんになっていた母と一緒にやっていたので、ノンナという名前をつけました」

イタリア料理の基本は、マンマの味、母や祖母の味である。

おばあちゃんという店名に込めたように、「トラットリア ノンナ」では、毎日食べても飽きることなく、かつ力強く暖かい母の味が待っている。

 

高知県高知市本町5丁目6−48「トラットリア ノンナ」にて

 

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