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高知県南国市に製造工場を置く整水器のトップメーカー 大阪市北区梅田「日本トリム」

この情報は2022年5月14日時点の情報となります。

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      医療機器の認証を取得した整水器といえば、「水道水をよりおいしくし、胃腸症状の改善を図るためのもの」が一般的な認識でしょう。しかし、実際は植物の栽培に使われたり、医療への応用も行われたりするなどの進化を今も続けています。

      その整水器の製造・販売の最大手メーカーが、南国市に製造工場を置く株式会社日本トリムです。同社は、高知県出身の森澤紳勝社長が一代で作り上げました。

      その森澤社長を、JR大阪駅前のビル内にある日本トリムにお訪ねし、同社を設立した経緯や、高知県に対する想いをお聞きしました。

      健康機器メーカーに転職

      -整水器を扱うようになるまでを教えてください。

      森澤社長:生まれ育ちは、今の高知県土佐清水市です。他県の人には、足摺岬といったほうがわかりやすいかもしれませんね。

      高校卒業後、地元の中学校に勤めた後、神奈川県の東海大学に進学しました。卒業後に就職した住宅地開発会社にいたときに、重いぶどう膜炎にかかりました。ぶどう膜炎とは眼球の中に炎症の起こる病気で、最悪のケースでは失明します。

      炎症の原因になったのは、木材をカットする工場を見学し、そこで接着剤などの化学物質が含まれたおがくずが目に入ったすぐ後に、プールで泳いだことのようです。化学物質と消毒の塩素が反応して、目にダメージを与えてしまったようでした。

      治療にはステロイドの入った目薬などを使いましたが、体にもいろいろな副作用が出ました。これが25歳のときで、実は、目薬の使用も体にステロイドの副作用が出るのも、77歳の今でも続いています。

      -整水器との出会いはどこでですか?

      森澤社長:ステロイドの副作用に自分自身が悩んでいることから健康への興味が出て、健康機器メーカーに転職しました。高知にある会社です。ここが整水器の製造を始めたのです。私は「これはすばらしい製品だ」と感激し、自社で販売までカバーするように提言しました。しかし、経営者は乗り気ではありませんでした。

      そこで、そのメーカーの整水器を扱う販売会社として自分で興したのが日本トリムです。会社は大阪市の淀川区に置きました。1982年のことで、私は37歳になっていました。

      -当時はまだ、整水器はかなり珍しかったのではないでしょうか?

      森澤社長:全然知られていませんでしたね。訪問先で「訪問営業で押し付けようとするなんて」と叱られる事もありました。あまりに売れなくて途方に暮れる事が多かったです。

      しかし、1年を過ぎたあたりから、お客様の反応がよくなり始めました。それまでは、「どうやって売るか」と自分側の都合ばかり考えていました。それが、「どうやったら買っていただけるか」とお客様目線に考えが変わっていたのです。これがよかったのだと思います。

      胃腸の症状改善に効果のある電解水素水とは

      -今、「整水器(電解水素水整水器)といえば、日本トリム」といわれるまでになっています。改めて整水器について教えてください。

      森澤社長:もっとも基本となる製品を、ひとことで説明すれば「水道水を電気分解し、胃腸症状の改善に役立つ電解水素水を作り出す機器」です。

      まず最初に、水道水を浄水フィルターに通し、不純物や、消毒のために混ぜられている塩素を取り除いたり減らしたりします。ここで終わったら、ただの浄水器です。

      整水器の場合は装置の中に電解槽という部分があります。この中で、陰極・陽極のふたつの電極に電気を通すことで、陰極側の水には、カルシウムイオン、マグネシウムイオンなどの陽イオンを引き寄せ、水素が発生し、アルカリ性になります。この水が電解水素水です。

      反対の陽極側には、塩化物イオン、炭酸イオンなどの陰イオンが集まり、酸素が発生します。これを含んだ水は弱酸性電解水です。

      飲み水などになるのは、電解水素水のほうです。これには厚生労働省から「胃腸症状の改善」の効果が認められています(厚生労働省告示第112号)。

      今後の事業展開について

      -今、会社の体制はどうなっていますか?

      森澤社長:販売会社から始めた弊社ですが、1990年に故郷の土佐清水市に工場を作り、自社で整水器を作るようになりました。この製造部門は後に、トリムエレクトリックマシナリーとして、分離独立させました。さらに2002年には、より広い敷地を求めて南国市に移転させ、今でも弊社の製品はすべてこの工場で製造しています。

      -整水器といえば飲み水を作るものと思っていたのですが、御社のホームページを拝見すると、ほかのものもあるのですね。

      森澤社長:実は、電解水素水が役に立つのは、人間だけではありません。野菜などに通常の水の代わりに与えると、生育が促進され、収穫物の品質も向上することが期待できます。これは高知大学との共同研究からスタートし、今は理化学研究所と共同研究中です。

      血液透析への応用も行っています。腎臓の主な役割に、血液からの老廃物の除去があります。それが不十分なときに、血液を体外に出して透析膜を通すことで、血液をきれいにするのが血液透析で、これには大量の透析液が必要です。

      透析液を作るには、不純物もミネラルもまったくない純水が欠かせません。単に純水というだけではなく、電解水素水にすることで、倦怠感の減少や合併症の41%低減といった症例報告がされており、他にも「通常の血液透析に比べて、投薬を2割減らせる」といった報告もなされています。透析患者のQOL改善に貢献したいと考えております。

      -こういった製品の開発には、ご自身がステロイドの副作用に悩んでいることも影響しているのでしょうか。

      森澤社長:確かに、「健康の大切さがわかっているので、人々の健康に役立つ製品を世に送りたい」といった気持ちは持っています。それよりも、自分の意識の中で大きいのは、「会社を存続させる」です。

      「会社であるからには、人々の役に立つ製品を作ったり、サービスを提供しているはずです。そうではない会社は消えていく。会社が存続していることが、すなわち、我々が社会のお役に立っている証拠だ」と考えています。

      高知県への想い・高知県人としてのプライド

      -御社は2007年から11年間、野球の四国アイランドリーグ・高知ファイティングドッグスのメインスポンサーでしたし、日本トリム杯高知オープン卓球選手権大会も開催されています。また、昨年高知で第13回大会が開催された全国女子選抜フットサル大会「トリムカップ」は高知県が発祥です。特に高知県でのスポーツを熱心に支援されているようにお見受けしました。

      森澤社長:こんな仕事をしている上に、高知県出身だから、高知県の知事さんや県内の市長さん方とお会いする機会もあり、そうした時にお話をいただきます。もちろん、依頼されてもお断りしているものもあります。しかし、直接顔を会わせて、「お願いします」と言われてしまうと何かしらのことはさせていただくことが多いでしょうか。

      西島園芸団地も支援していますが、それもその一つです。

      偏見かも知れませんが、高知県出身者は、がんこな上に、群れるのも嫌いで、とっつきはよくないと思われている方もいらっしゃいます。しかし、頼られると、なかなか嫌とはいえない性格の人間が多いように思います。私もそういった高知県人の一人なのだろうと思います。

      -高知県内のベンチャー企業への支援も行っておられますよね。

      森澤社長:2013年から3年間行った「こうちビジネスチャレンジ基金事業(通称、日本トリム基金事業)」のことですね。「ビジネスプランを募集・審査し、高い評価を受けた企業に資金援助をしたり、専門家のアドバイスを受けられるようにしたりする」という内容でした。当初から3年間の予定で始まり、そのための資金として1億円を用意しました。

      会社を始めて、なかなか軌道に乗らないときに、なにが辛いかというと、やはりお金がないことです。幸いうまく役立てていただいたみたいで、支援した会社は今もうまくいっているようです。

      日本トリムも、設立当初はベンチャー企業でした。以来40年近くたちましたが、今でもベンチャー企業だと私は思っています。故郷の若い人たちのがんばりにつながることでもあるので、高知県の知事さんからのお話しでしたが、お引き受けしてよかったです。

      社名:株式会社日本トリム

      事業内容:ウォーターヘルスケア事業、医療関連事業

      代表者:代表取締役社長 森澤 紳勝

      創立・設立:1982年6月

      住所:大阪市北区梅田2-2-22 ハービスENTオフィスタワー22F

      URL:https://www.nihon-trim.co.jp/

      電話:06-6456-4600(代)