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「果物王国高知で育てる、香り高きリンゴの魅力」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その76

この情報は2019年11月17日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

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高知は果物天国である。

年間降水量が全国1位(2014年)であるのに、年間日照時間が17位、年間快晴日数が15位であり、温暖な気候ということで、果物には快適な環境なのだろう。

文旦やみかん、ゆずなどの柑橘類、スイカやメロン、梨や以前紹介したフィンガーライムやライチまで、様々な果物が作られている。

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量ということだけでなく、味が濃いように思う。

しかし、リンゴが作られているとは知らなかった。

リンゴといえば、青森、岩手、長野、山形といった、寒い土地で作られているイメージがあるのだが、高知でも作られている人がいる。

高知市の西、須崎から北の山へと入った高岡郡佐川町の「土本観光果樹園」である。

様々なリンゴの種類を育てている綺麗に手入れされた果樹園は心地よく、ここでBBQやピクニックすれば気持ちいいだろうなと、素人は思うだけである。

つがる、ふじ、紅玉といった有名な品種も作られているが、自慢は、「新世界」という品種だという。

「高知で『新世界』を育てているのはここだけです」と、こともなげに、2代目園主の土本誠さんはおっしゃるが、そもそも温暖な高知でリンゴを作るのは大変な苦労があろう。

残念ながら「新世界」は収穫が終わったところだったが、こちらの果樹園で楽しめるリンゴ狩りでいただける「フジ」を切ってもらった。

「シャキッ」。

噛んだ瞬間みずみずしいエキスがほとばしる。

リンゴのおいしさは、まずこの噛んだ時の清涼感にある。

完熟すると甘くはなるが、この食感は失われてしまう。

完熟した赤いリンゴは高く売れる。

だが清涼感はない。

その落としどころをどこにするか?

噛んだ時のシャキ感を大切にしたいと考えている土本さんは、その収穫時期を精査する。

時に、リンゴの放つ甘い香りに蜂が寄ってきて、果実を傷つけてしまう。

有機肥料かつ有袋栽培だから、リンゴ一つ一つに袋をかぶせるのは大変だろう。

しかし、その袋を人間の手で被せていくという思いが、リンゴを美味しくさせるのかもしれない。

だが、土本さんは、まだ現状の栽培に満足していない。

樹上完熟できるような、新しいリンゴの栽培法も試しているという。

新しいリンゴの栽培法への苦労を語る土本さんは、少し嬉しそうで、目には覚悟の炎が燃えていた。

高知で、必ずやリンゴの新たな世界を生み出すぞ、という覚悟が静かにあった。

僕はこの冬お世話になった人に、高知のリンゴを送って、驚いてもらおうと密かに思っている。

 

高知県高岡郡佐川町二ツ野「土本観光果樹園」にて