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まるっ!ころっ!と愛しいフォルム いの町「吾北のしいたけ屋」の美しい椎茸たち

この情報は2019年12月20日時点の情報となります。

高知市から約1時間。いの町の吾北地区で椎茸を育てているご夫婦と、ご夫婦がまるで我が子のように大切に育てている椎茸を、いの町の地域おこし協力隊がご紹介。いの町の魅力を発信します!

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「吾北のしいたけ屋」の椎茸を知っているだろうか。

ぷっくり肉厚で、まさに「これぞキノコ」という愛らしく美しいフォルム。カサの部分を真上から見ると正円に近く、その造形美に思わず自然の造形の神秘にまで思いを馳せてしまう圧倒的な存在感。直径が7cmほどだろうか。手のひらにのせるとずっしり重量感がある。

うまみがギュッと詰まって甘みが強く、シンプルに焼いて塩やポン酢で食べるだけでも絶品。さらに油との相性がいいので、フライや天ぷらにするとおいしいエキスを逃さず味わうことができる。ひき肉を詰めて蒸した椎茸シューマイにしたり、洋食にも合うのでカレーやシチューに入れてもいい。

そんな完全無欠とも思える椎茸を栽培しているご夫婦のお話を伺いに、いの町の吾北地区を訪ねた。

「吾北のしいたけ屋」の屋号で、椎茸の菌床栽培を行う小白(こはく)さんご夫妻。高知出身の奥さまが、「はちきん磁石」で県外出身のご主人を高知まで引っ張ってきたという。高知の女性は男勝りで「はちきん」と呼ばれる。はちきん磁石とは、そんな高知県出身女性が持つ強い磁力で、気がつくと家族で高知県へ移住してしまっている現象を言う。

案内していただいたハウスの中には、棚にずらっと並んだ菌床に、大小さまざまな椎茸たちが・・・。ひんやりした空気の中を歩いていると、国産のおが粉や米ぬかにこだわった、安全で栄養たっぷりの菌床の香りがふんわりと漂ってくる。

 

いいいものは、いい

ご主人はいの町の地域おこし協力隊一期生。山村の原風景が残る吾北地区で、3年間の任期を終えた後は何をしよう。林業か、農業か・・・、といろいろ考える中で、ご縁があり椎茸栽培を始めたそう。

-椎茸を作る中でのこだわりを教えて下さい。

勇さん:椎茸は作ったこともなかったし、最初はこだわりというのも分からなかったんですが。作っていくうちに、だんだんと「やっぱり、いいものはいいな・・・」と。僕達は夫婦二人しかいないので、薄利多売はしづらい。質の高い、いいものを販売した方がいい。それで、味はもちろんのこと、あと僕達の目で見て「きれいな形である」っていうのは、こだわってます。その分普通の椎茸より価格は上がるので、最初はお客さんがついてくれるか怖かったですね。でも出してみたら売れることが分かったので、「評価してくれる人がいるんだな」と。じゃあうちはこのスタイルで、このクオリティでやっていこう!と定まったんです。

収穫はすべて手作業で行う。カサを下からのぞき込んで開き具合を確認し、ベストなタイミングのものだけを選ぶ。

-小白さんの椎茸は傷も無く形も本当にきれいですね。どんな工夫をされているんですか。

勇さん:収穫するときは一番強いカサの部分だけをそっと持って、手でもぎります。椎茸に傷がつかず菌床も軸に少しついたままになるので、持ちが良くなるんです。軸は弱くて持つと色が変わっちゃうので、絶対触らない。コンテナも普通の半分の深さのものを使うので手間も時間もかかりますが、椎茸が重なりすぎて傷がつかないよう、とにかく気を使っています。一般的な菌床栽培では全面から発生させるけど、うちは上面からだけ発生させる栽培方法をとっています。全面から生やせば収穫量は増えるけど、きのこ同士がぶつかったりして、形がわるくなることもあるので上面からだけ発生させてます。

菌床の棚は下の方が湿度が高く温度が低いので、椎茸の成長具合に合わせて、収穫と同時に上下の菌床の段の入れ替えも行うのだそう。かがんでのぞき込んで立って、またかがんで…の繰り返しはまるでスクワット。これはきつい!

 

一年中お世話してつくる菌床椎茸

品質の高い椎茸を育てるためには、収穫前後のお世話も欠かせない。収穫のピークは11月から2月下旬頃だが、小白さんは菌床を一年で取り換えるため、次の収穫の準備は前の収穫が終わってすぐの、5月から始まる。

-収穫時期以外には何をされているんですか。

勇さん:よく聞かれるんですが、僕達は空調栽培でなく四季の温度変化を利用した自然栽培をしているので、一年を通じて菌床の管理があるんです。暑さに弱いので、夏はハウスの窓を開けて風を入れたり水をかけたり、日々の天候に合わせて、温度や湿度を手作業で調整します。特に、夏の間の管理が菌床の質や収穫の質を左右するんです。そして、秋から冬に入ると今度は薪ストーブでハウスの温度が下がりすぎないようにして、菌床が快適な環境にしてあげるんです。こうした芽づくりの期間を経て、収穫に向けて芽が出るよう菌床に物理的な刺激を与えるんですが、菌床の状態によってその方法や強さも調整します。こんな感じでお世話にかなり手間がかかるので、他の作物を作ったりする余裕は全然ないんですよ。

収穫後はすぐに出荷せず、形や大きさで選別した後、ハウス内の冷蔵庫で保管して水分量を調整してから出荷しているという。

-出荷間際まで丁寧に丁寧にお世話されてるんですね。

勇さん:うちの椎茸は水分をしっかり含んでいます。収穫された後も水分を出すので、その水分によって痛みやすくなります。だから出荷前に水分を少し抜いて日持ちするように工夫しています。

 

我が子のように愛情をそそいだ椎茸たち

頭をなでるように手で椎茸のカサをポンとしながら、まるで我が子の話をするように椎茸のことを教えてくれた小白さんご夫妻。言葉の端々から伝わってくる愛情に、椎茸たちもしっかり応えているなぁ、と実感できる。

取材後、早速夕食に椎茸をいただいた。

 まずはお勧めの焼き椎茸。焼きすぎず、椎茸のエキスが表面ににじむたあたりでシンプルに塩を振る。噛めば噛むほど旨味と香りが口の中に広がる。大きく肉厚な椎茸なので四等分にしても食べ応え抜群で、椎茸本来の美味しさをしっかり味わえる。

次にアヒージョにしてみた。オリーブオイルとニンニクの風味をまとってコクが増し、オイルが馴染んだ食感も楽しくそのまま食べても、バゲットにのせても最高で手が止まらない。小白さんご夫婦の椎茸はひとつでもかなりボリュームがあるが、美味しいのでもう一個、もう一個・・・とついつい食べ過ぎてしまい、ものすごく満腹、そして大満足の晩ごはんになった。

椎茸ならではの歯ごたえと旨味を存分に堪能できるのは、しっかりと肉厚でボリュームがあるからこそ。食べた後は、「あぁ、また小白さんの椎茸を食べたいなぁ」とすっかり虜になってしまった。

小白さん夫婦のこだわりの椎茸。

まず一度は手に取って、ずっしりとした椎茸の美しさとおいしさを、じっくり味わってみてほしい。

「吾北のしいたけ屋」の椎茸は11月から2月下旬に

・吾北のしいたけ屋 ホームぺージ
・道の駅「むささびの里」
・レストパークいの
・ハレタ
・サンシャイン一部店舗
・とさのさと
・日曜市
・いの町ふるさと納税  などで手に入る。

 

施設情報

吾北のしいたけ屋

住所:高知県吾川郡いの町上八川丙760-1
TEL:080-6537-1365
営業時間:午前9時~午後6時(日曜定休日)

※直接ハウスにてご購入も可能です。その場合は必ずご連絡ください。
(出荷などで不在の場合がある為)

https://gohoku-shiitake.com
Instagram:Gohoku.shiitake

文/いの町地域おこし協力隊 フルヤアサミ