高知家の◯◯
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「今まで食べていたバナナは、なんだったんだろう? 無農薬完全完熟バナナの素晴らしさ。」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その95

この情報は2020年4月12日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は須崎市で無農薬完熟バナナを育てる「オーキッド・フジタ」を訪ねた。

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高知の果物といえば、まず思い浮かぶのは土佐文旦である。

次に日向夏に小夏や仏手柑、ポンカン、河内晩柑、温州みかんといった柑橘類、メロン、ビワに梨といった果物だろう。

植物学的に言えば、名産である柚子もスダチも、フルーツトマトも果物である。

さらにこの連載では、過去に、ヤマモモ、ライチー、マンゴー、林檎、フィンガーライム、スイカなども紹介してきた。

しかし、素晴らしいバナナを作っている方がいるという。

しかも一本千円という高級バナナである。

そりゃあ食べてみんといかんと、早速、須崎へと向かった。

バナナといえば、今は約99%が輸入であり、青いうちに収穫され追熟しながら日本に入ってくる。

聞くところによると、輸入果物の半数はバナナだという。

昭和の30年代までは高級品だったが、今はコンビニでも売られる大衆果物である。

しかし無農薬のバナナに出会うことは少ない。

須崎でオーキッド・フジタの藤田泰雄さんは、農薬、化学肥料不使用の“よさ恋バナナ”を作られている。

元々はランの生産者(現在も)で、20年前から趣味でバナナを育てていたが、「バナナがブームになってきたき」本格的に力を入れ始め、2018年の春から出荷を始められた。

そのバナナは、何しろ大きい。

普通のバナナの二倍近くあるのではないだろうか。

ずんぐりと太っている。。

防腐剤も使わず、完熟して、皮が割れる寸前まで育て出荷する。

こうして育てたバナナは、一本千円する。

逆にいえば、安心安全で、栄養をきっちりとやり、健康的に太らせ、完熟させたバナナは、これだけのコストがかかる果物なのである。

一本いただいてみた。

姿がいい。

大きな円なのである。

まん丸である。

あの角ばった姿はどこにもない。

食べればなんともきめ細かく、なめらかな食感が、うっとりとさせる。

そして、甘みが自然である。

いやらしさが微塵もなく、舌をねっとりと舐め回しながら、喉に落ちた後には、爽やかな香りがいつまでも残っている。

よくバナナにありがちな、青臭さがなく、洋梨のような香りが漂う。

「一番美味しいのは、冬場だね」。

バナナをこよなく愛する藤田さんは、嬉しそうに言った。

次に天ぷらにしてもらう。

おお、サクッと衣が弾けると、とろりと甘い中身が現れる。

だがよく加熱したバナナに見られる、しつこい甘さが一切ない。

甘みは濃いがすっきりとしている。

バナナだけのアイスクリームを食べれば、なんと、乳製品を入れてないのにクリーミーである。

そのまま生で食べるのもいいが、 天ぷらとアイスクリームに驚いた。

料理しても色が変わりにくいという。

今までのバナナの概念を変える味わいである。

ハウスを覗けば、普通よりも太い幹が隆々と天に向かって伸びていた。

自然児の健やかさである。

今まで食べてきたバナナが、日陰でもやし育ちの病弱者だとしたら、こいつは思う存分自らの生命力を発揮させている。

おそらく栄養価も高いだろう。

よし今度、大切な人への贈り物として、想いを届けてみよう。

 

高知県須崎市浦ノ内西分「オーキッド・フジタ」にて