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「地元愛が笑顔を呼ぶ。山に囲まれた豊かなる土地、高知嶺北地方の料理で健やかに」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その97

この情報は2020年4月26日時点の情報となります。

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スイーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。今回は高知市で嶺北地方の食材にこだわった店を営む「地元食酒 れいほく村」を訪ねた。

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地元を愛した料理人の作る料理は、清々しい。

日本全国を旅すると、地の食材を駆使してした料理に出会い、それこそがこの地に旅をする意味だと、強く思う。

高知県でも、高知県産の食材を使った、愛すべき店にたくさん出会ってきた。

しかし、この「れいほく村」は、その店名が表す通り、高知県嶺北地方の食材を使った料理を出す店である。

つまり県内でも特定の地域の食材による料理という、その偏執愛が実にいい。

嶺北地方とは、県庁所在地の高知市より山を越えて北にある。

つまり嶺の北という意味である。

大豊町、本山町、土佐町、大川村の4町村を指し、四国中央部の吉野川源流地域にあり、高地域の北側には四国山地の峰々が連なり、吉野川の流れが北東に渓谷をなし徳島県側に開いているのみで、周囲を山々に囲まれた特異な地形だという。

ご主人は、その土佐町出身である。

「赤ナマコ酢」もあり、海はないじゃないかと突っ込みたくなるが。嶺北で採れる大根が。嶺北色を出している。

酒も嶺北色一色で、土佐町の酒蔵「桂月」の山廃は、綺麗な水と美しい自然に恵まれた、土佐町相川地区の棚田で契約栽培した「吟の夢」を山廃で作ったお酒である。

実に綺麗な味わいで、柔らかな酸味が食中酒として料理を盛り立てる。

本山町の「天狗の郷 玄米仕込み」は、なんとも米の香りが華やかで、心地よい酔いを呼ぶ。

名産である大根を使った大根餃子を頼んでみた。

餡に大根をたくさん入れた餃子かと思いきや、皮が大根で作った揚げ餃子である。

皮は、むちっでなく、サクッとしてほの甘く、餃子の餡と大根の優しさが調和する。

衣を米粉に変えたらグルテンフリーとしてもいけるのではないか。

身が薄くオレンジ色がかっった「アメゴの塩焼き」は、ほのかな鮭の味が愛おしい。

そして、希少な「赤牛タン焼き」は、脂の甘い香りあって柔らかい。

黒毛と違い、脂がしつこくない点がいい。

あっさりとした味に仕立てた「嶺北の親鳥野菜炒め味」は、親鳥らしい噛みごたえがあって、噛みしめるごとに次第に味が膨らんで行く。

嶺北の八菜と言われるパプリカ、米ナス、スナップえんどう、トマト、シシトウ、プチヴェール、ほうれん草、レタスもいただいた。

いずれも力強く、香りが高い。

山々からのミネラルを土壌がたっぷり含み、それを澄んだ空気の中で野菜が吸って育つ。

ここには、我々を健やかにさせる自然の力が宿っている。

 

高知県高知市帯屋町1丁目「地元食酒 れいほく村」にて