食べ歩きスト・マッキー牧元が選ぶ「高知満腹日記のベスト5皿」

立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなすタベアルキストのマッキー牧元さんが2018年高知で食べ歩いた25食の中から5皿を厳選。

2018年は、高知に計7日間行って、計25食を食べた。

計算が合わないじゃないかって?

仕方ないのですね。高知は美味しいものがありすぎるき、片っ端から食べとうなる。

しかもこれ、朝食を抜いた食事回数ですから、多い時で1日5食という日もありました。

仕方ないのですね。高知は美味しいものがありすぎるき。

そこで、去年「高知家の○○」にアップした食事の中からベスト5を選ぼうと思う。

と書いてみたが、これがなかなか難しい。

できるならあれもこれも入れたい。

あれを外してこれを入れるのはどうだろう。

こうしてさんざん悩んだ挙句の「高知満腹日記2018のベスト5皿」である。

 

第5位「海の呼吸が聞こえるところ天」中土佐町久礼「高知屋」

今まで食べて来たところ天は、死んだ料理だったことに気づかされた店である。

食べれば口の中で波しぶきが舞い、海の命の息吹が聞こえてくるところ天だった。

海に、高知の豊かな海に感謝するところ天だった。

高知屋:高岡郡中土佐町久礼6543-2 ※ところ天は春~夏期間限定

 

第4位「すごいぞ うるめいわし」土佐市宇佐町「宇佐もんやのうるめいわしのぶっかけ漬け丼」

網ではなく、一本釣りで獲っているうるめいわしを使った丼。

いわしは微かにシコッした身の硬さがありながら、どこまでも滑らかである。

そしてうっすらと脂の甘さがにじみ出て、これが甘辛い漬けダレと合うんだな。

その脂の甘みと漬け汁が一体となって、ご飯をワシワシ食べさせてしまう。そのご飯喚起力が半端ない。

宇佐もんや:土佐市宇佐町宇佐1757

 

第3位「ウツボはすき焼きに限る!漁師料理に悦楽を得たの巻」中土佐町久礼の「ウツボすき焼き」

青柳裕介の漫画「土佐の一本釣り」のモデルになった久礼の川島昭代司さんが自ら作ってくれたすき焼きである。

元々は牛肉が高価で買えず、低級魚であったウツボを代役で使った料理だったが、これがうまい。

ぶつ切りにしたウツボの他には、玉ねぎ、こんにゃく、ニンニクの葉、ネギ、豆腐、笹掻きごぼうが用意さら、甘辛い割り下で煮ていく。

火が通ったウツボを食べれば、ふんわりと歯が包まれたかと思うと、皮下のコラーゲンがぬるんと溶けて甘い。

それが、甘辛い割り下の味や卵の甘みと合って、箸が止まらなくなる。

そこへニンニクの葉はシャキシャキと音を立て、かすかにニンニク香を漂わせる。

もうたまらんぜよ。

酒でも白ご飯でも持ってこい!!

大正町市場:高岡郡中土佐町久礼6372-1

 

第2位「日本一幸福にさせてくれる魚屋さん」吾川郡いの町「魚兼」

京都の一流割烹で修行したという魚屋さんが、週末だけ店頭で料理を出す。

味付けの塩梅、切り方、火の通し方、盛り付け、皿の選び方など、料理のクォリティの高さに、思わず目を丸くしました!

修行経験があるとは知らない僕は、思わず「料理がお上手ですね」と、失言してしまったぐらいです。

何品かいただきましたがその中でも、「鮎の寿司」が素晴らしかった。

塩麹につけた鮎を、酢洗いし、寿司にしたもので、鮎の淡い旨味が舌を包み、夏の香りが鼻から抜けていく。

そこには、洗練と品があって、唸らずにはいられない。

京都や東京の一流割烹で出すレベルです。

そんな料理を店頭の粗末なテーブルで、立って食べるというギャップがまた面白い。

日本中探してもこんな店はないという理由で、2位にしました。

魚兼:吾川郡いの町藤町15

 

第1位「カツオと新子の刺身」高知市 「ゆう喜屋」

高知市に来ると、カツオの洗礼を受ける。

市内を歩けば、右を向いても左を向いてもカツオがある。

当然ながら、和食の店には、必ずカツオの刺身が置いてある。

しかしその中で頭抜けて美味しく、本当のカツオの刺身の美味しさを教えてくれたのが「ゆう喜屋」だった。 

姿からして違う。

いままで出会った濃い赤をしていない。

うっすらとピンク色がかった紅色なのである。

皮を引いた刺身は、その深緋色が白い皿に映えて色っぽい。

皮付きの方は、薄紅色に銀色が対比して、皿の上で波しぶきが舞っている。

その姿は、手をつけるのをためらうほど神々しいのである。

噛めばねっちりと舌にしなだれ、品のある脂の甘みが滲み出て、その奥にひっそりとたくましい鉄分が眠っている。

一片の刺身が、意志を持ったかのように崩れていき、僕はカツオとディープキスをしている錯覚に陥って、心が溶けてしまった。

一方の新子は、ソウダガツオの子供である。

噛めば、微かにモチッと歯の間で弾み、まだ色気はないが、これから伸びようとする命の息吹が溢れ出る。その切なさがいい。

仏手柑の皮の香りが、その切なさに優しく寄り添って、命をいただく感謝を膨らます。

おそらく日本で食べることのできるカツオの中で一番ではないか。そう思うほどレベルが高い。

そんな魚をいつも用意してくれるご主人と、カツオの奥深さに感謝して、堂々の1位である。

ゆう喜屋:高知市帯屋町1丁目9-25

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