「飲兵衛おじさんの安息地を発見!刺身上等、肴充実、深夜営業という隠れ家大衆居酒屋を探索したの巻」食べ歩きスト・マッキー牧元の高知満腹日記 その67

アンジャッシュ渡部さんの「食べ歩き道の師匠」、マッキー牧元さん。立ち食いそばから割烹、フレンチからエスニック、スィーツから居酒屋まで、年間600回外食をし、料理評論、紀行、雑誌寄稿、ラジオ、テレビ出演を超多忙にこなす食べ歩きストのマッキー牧元さんが高知の食材・生産者さんをめぐって紹介する「高知満腹日記」。

「おやこんなところに」。

その店は、そんな場所に佇んでいた。

鏡川のほとりに立ち並ぶ、閑静な住宅街の一角である。

店の名を「とさ」という。

店は、地下にあって、入口も目立たない。

こんなところでお客さんが来るのかなあと思いながら入ると、すでに常連客が数人カウンターに座っていた。

店を切り盛るのは、老夫婦の二人である。

ご主人が料理を作り、奥さんが運ぶ。大衆居酒屋の正しき体制である。

こういう店に間違いは、ない。その淡々とした姿勢がいい。

それが店の中に居座って、のったりとした緩い空気が流れている。

老夫婦ゆえに、終わりが早いのかな(全国にあるこういう体制の店は、大抵店じまいが早い)と聞けば、夜中3時までやっているという。

繁華街でもないのにである。

やはりこれも、酒飲み天国高知ならではの宿命か。

さて肴を頼もう。

壁に貼られた品書きを見れば、いやあ幅広く、多くの料理が並んでいる。

刺身の種類も多ければ、締めの丼物も充実している。

これまた良い大衆居酒屋の基本である。

それでは刺身から、いってみよう。

子供をみっちりと抱いた「メシイカ 」を噛めば、ねっとりとして甘い。

イサキの刺身は、なんと嬉しや肝つきで、肝の味がきれいでたまりません。

厚切りのイサキの身は、いかった勢いがあって、甘みをぐんと舌に乗せて来る。

この二品で、すっかりおじさんは楽しくなってきちゃいました。

ええい燗酒をお代わりだあ。

ニンニクと炒めた砂肝は、ニンニクのきかせ方がほどよく、レモンをかけて食べれば、瞬く間になくなってしまう。

さらに「ヤキナス」を頼めば、ナスの肉がきめ細かく、食べれば甘さと香理の余韻を残しながら、溶けるように潰れていく。

調子に乗ったおじさんは、ここで「ウインナー」を頼んでしまった。

やはり昭和30年代生まれとしては、ウィンナー焼きの魅力には、抵抗できない。

案の定パリパリに焼かれて、パリンと弾けてくれる。

ええいちきしょう、もう一合だあ。

そのあとに頼んだ、「ダシマキ」も「揚げだしトーフ」も、優しき出汁がたっぷりで、一口食べた途端に顔が崩れる。

そうか、間違いない、ここは高知のおじさんたちの安息地だったのか。

 

高知県高知市堺町「とさ」にて

 

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